公園や庭など身近な場所で、美しいキノコたちが季節ごとに姿を現します。しかし、その中には危険な毒キノコも存在します。見た目が魅力的なため、知らずに手に取ってしまうこともあるかもしれません。
本記事では、身近な場所に潜む毒キノコについて詳しくご紹介します。これからキノコ狩りを楽しむ方や自然を散策する方は、必ず目を通しておくべき情報です。どのようなキノコが毒キノコなのか、その特徴や注意点について詳しく解説します。
身近な場所にある危険な毒キノコ4選
日本で身近にある危険な毒キノコの中から、以下に4つの代表的なものを選びました。これらのキノコは見た目が美しいものもありますが、摂取すると重篤な中毒症状を引き起こす可能性があるため、注意が必要です。
ツキヨタケ
出典:「ツキヨタケ(毒きのこ)」(写真提供/秋田森づくり活動サポートセンター)
ツキヨタケは、秋にブナやイタヤカエデなどの朽木の上で群生することがあります。このキノコのカサは一般的に半円形をしており、直径は約10センチメートルから20センチメートル程度の大きさがあります。最初は黄褐色で始まり、成長するにつれて紫褐色や暗紫褐色に変化します。また、カサを割ると付け根近くの肉に黒い斑点が見られます。
ツキヨタケを誤って摂取すると、嘔吐、下痢、腹痛などの中毒症状が現れる可能性があります。時には幻覚やけいれんといった症状も伴うことがあります。
クサウラベニタケ
出典:東京都保健医療局 食中毒の原因となる毒キノコ クサウラベニタケ(毒)
クサウラベニタケは、ツキヨタケと並んで、誤食による食中毒の発生件数が最も多いキノコの一つです。夏から秋にかけてブナ科の林で見かけることがあります。
摂取後、約20分から1時間程度で嘔吐、下痢、腹痛などの消化器系の中毒症状が現れます。さらに、発汗など神経系のムスカリン中毒の症状も見られることがあります。症状が重い場合は死亡する可能性もあります。
カキシメジ
出典:東京都保健医療局
カキシメジの最も特徴的な点は、美味しそうに見えるが実は毒キノコであることです。名前もシメジと付いているので勘違いしやすいキノコです。
カキシメジは、茶色いカサがヌメッとしており、小さい頃はナメコのような可愛らしい姿をしています。ヒダは白く、毒性を疑わせるような違和感はありません。成長するにつれて肉厚になり、堂々とした姿を見せるため、本当に食べられそうな外見を持っています。さらに、群生することが多いため、一つの場所でたくさんのカキシメジを収穫することができます。
カキシメジを摂取した場合、摂取後30分から3時間の間に頭痛を伴い、嘔吐、下痢、腹痛などの症状が発生することがあります。
カエンタケ
出典:千葉市:公園や緑地での猛毒キノコ「カエンタケ」に注意してください
カエンタケは非常に毒性が強く、触っただけで皮膚に炎症がおきます。綺麗なオレンジ色をしているため、子どもが誤って触ってしまわない様に注意してください。
カエンタケを誤って摂取すると、命に関わる可能性があります。摂取後30分が経過すると、発熱、悪寒、嘔吐、下痢、腹痛、手足のしびれなどの症状が現れることがあります。また、2日後には消化器不全や小脳萎縮による運動障害などの脳神経障害が進行し、最悪の場合は死に至ります。
誤って毒キノコを摂取してしまった際の応急処置は?
毒キノコを誤って摂取してしまった場合の一般的な対処法をご紹介します。
- 直ちに医療専門家に連絡する:症状の重症度や進行のリスクを評価するために、毒キノコの摂取に関する情報を提供し、専門家の指示に従います。
- 嘔吐や下痢が始まった場合:水分補給を行い、脱水症状を予防します。ただし、吐き気がひどい場合や意識が低下している場合には嘔吐を誘発させない方が良い場合もあります。
- 意識変化や重篤な症状が現れた場合:安全を確保し、患者を落ち着かせます。意識が低下している場合には、脱力させないように注意し、呼吸や心拍数をモニタリングします。
重要なのは、自己診断や自己治療をせずに、速やかに医療専門家に相談することです。
まとめ
記事を通じて、公園や緑地に潜む身近な毒キノコについての特徴と注意点について学びました。身近な環境に存在する毒キノコに対しては、正確な識別と知識が重要です。専門的な知識がない方は不用意にキノコに接触しないことをおすすめします。
毒キノコの特徴や中毒症状についての理解は、自身や周囲の安全を守るために不可欠です。もし毒キノコを誤って摂取した場合は、迅速に医療専門家に相談し、指示に従ってください。
最後に、身近な毒キノコに対する注意と安全な行動の重要性を再確認しましょう。
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